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■10年経っても過去じゃない

2/13に福島県岸で起きた大きな地震には驚かされました。2011年3月11日の東日本大震災の「余震」だそうですね。家財の破損、土砂崩れ、新幹線の不通など、被害を受けた地域の方が一日でも早く普通の日常生活を取り戻せるよう、祈念いたします。

 

地震直後、ニュースで何度も福島や宮城の女川ほか原発の状況が何度も報道されることに、大きな違和感がありました。原発が安全ならこういう報道は必要ないはずで、大きめの地震がある度に、いま稼働していないものも含めた原発の状況をいちいち気にしなきゃいけないなんて絶対におかしいと改めて思いました。

 

震災後の3年間は夏に被災地支援のボランティアに行き、その後も定期的に被災地に足を運んで来ましたが、それでも正直なところ最近は震災のことを思い起こすことが随分減っていました。それがあの最大震度6強の地震で、10年経っても震災も福島第一原発の事故も全然過去の事ではない事実を、ガツンと突き付けられました。

 

恥ずかしい話ですが、震災が起こるまで、福島や新潟という関東地方ではない場所にある原発で作られた電気を、首都圏に住む自分が使っているという意識は全くありませんでした。あまりにも無知だったと思いますし、そのことに今も疚しい思いを抱いています。原発事故に関しては、原発で作られた電気を使ってきた自分も「加害者」だったという意識があり、今でも原発事故のために故郷に戻れない人が少なからずいると思うと、心が痛みます。

 

福島第一原発の廃炉作業はいつ終わるのか、はっきりした見通しは立っていません。あれだけの大事故を起こし、今も人が住めない地域が残り、汚染水の処理・汚染土の処分方法も確立されていない現状で、どうして再稼働なんて発想ができるのか、私はまったく理解できずにいます。

 

この地震で目が覚まされたお陰で、ひとつ決断が出来ました。10年目の3月11日が近付き急に刊行が増えて来た震災関連書の扱いについて思いあぐねていましたが、2月と3月の2ヶ月間、震災と原発事故関連書の販売で得た利益は、被災地の復興支援ならびに報道に関する活動をしているNPO団体に寄付させていただくこととします。詳細はお知らせ-東日本大震災、原発事故関連書販売による利益の寄付についてをご覧ください。